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令和4年度 施政方針

[2022年3月4日]

ID:5298

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令和4年3月議会で報告しました町長及び教育長の施政方針を掲載します。

町長施政方針

はじめに

 本日ここに、令和4年度当初予算をはじめ関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における町政運営の基本方針と主な施策の概要を申し上げ、議員各位ならびに町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 最初に、令和4年を迎えて間もない1月初め、町内におきまして交通事故や火災が相次ぎ発生し、その結果5名もの尊い命が失われることとなりました。ここに謹んで哀悼の意を捧げますとともに、ご家族や関係者の皆さまに対し、心からお見舞いを申し上げます。

 昨年秋に落ち着きをみせた新型コロナウイルス感染症は、今年に入ってから再び猛威を振るっており、本町におきましてもオミクロン株の流行で、1月半ばから年少者を中心に感染者が急増し、保育園や幼稚園、こども園、そして小中学校の休園・休校が相次ぐ事態となりました。オミクロン株については、国内外の報告から重症化する割合がデルタ株に比べて低いといわれますが、高齢者や基礎疾患がある方、ワクチン未接種の方にとってはこれまでと同様に危険であることには変わりなく、まだまだ予断を許さない状況となっております。引き続き、マスクの着用、手洗い、消毒、3つの密の回避など、基本的な感染予防対策の徹底をお願いいたします。

 また、昨年実施したワクチン接種におきましては、当初なかなか進まず、町民の皆さまにご心配とご迷惑をおかけすることとなりました。その後、皆さまのご理解とご協力のおかげで、最終的には70%を超える接種率を達成することができました。既に3回目の接種が始まっておりますが、これまでの経験を活かしながら、適切に対応してまいりたいと存じます。

 そして、医療や介護の現場で新型コロナウイルスの感染リスクと日々向き合いながら、ご尽力いただいておりますエッセンシャルワーカーの皆さまをはじめ、私たちの暮らしを支えてくださる全ての皆さまに、改めて心からの敬意と感謝の意を申し上げます。 

 さて、本定例会に上程しております「第5次広陵町総合計画」に掲げるまちの将来像は、「be Happy~未来につながるまち 広陵」であります。「広陵町に住み、幸せであると感じていただきたい。お互いに助け合い、支え合うことで、幸せの輪をひろげていこう」という想いを「be Happy」という言葉に込めました。そして、その幸せを積み重ねて輪をひろげることで、協働するまちがつくられ、広陵町に住んでいると幸せな未来につなげることができる。「be Happy~未来につながるまち 広陵~」はこのことを表現しております。令和4年度からは、このまちの将来像の実現に向け、町政運営を行ってまいります。

 私の基本姿勢は「対話を重視すること」、「コミュニティを大事にすること」そして、「あたたかな政策を基本にすること」であります。

 自治基本条例の基本理念である「参画と協働」のまちづくりを進めるにあたりましては、今なお新型コロナウイルスの蔓延により、人と人とが自由に集まることに対する不安が払拭されない状況下にありますが、将来の広陵町について共に考え、熟議できる機会を設けながら、未来につながるまち広陵の実現に向け邁進してまいりたいと存じます。

 町民の皆さまが必要としている施策・事業を着実に実行してまいるとともに、それらを常に評価し、財源や人材など限りある経営資源の「選択と集中」を行いながら、行政サービスの更なる向上へとつなげてまいります。 

 令和4年度は、私が3期目となって最初の当初予算編成となります。選挙の折に掲げました公約の実現を推進するとともに、広陵町がこれからも住民の皆さまが住み続けたい、と思える魅力あるまちとして発展し続けるため、全職員が一丸となって諸課題の解決に向け、取り組んでまいる所存です。

予算編成の概要

 それでは、令和4年度の予算編成概要について、ご説明申し上げます。

一般会計

 一般会計の予算規模は、134億8千万円で、前年度から9億4千万円、対前年度比で7.5%増となりました。

 歳入では、町税を41億3千236万円で、対前年度比3.5%増、地方消費税交付金を6億6千198万円で、対前年度比6.0%増を見込んでおります。また、国からの普通交付税を26億3千万円で、対前年度比14.3%増、扶助費等の増に伴う国庫支出金を22億4千35万円で、対前年度比19.1%増を見込んでおります。なお、臨時財政対策債を除く町債は、8億2千640万円で、対前年度比17.5%増を見込んでおります。

 一方、歳出では、人件費を24億2千151万円で、対前年度比6.5%増、介護給付費などの扶助費を29億5千694万円で、対前年度比7.2%増を見込んでおります。なお、さわやかホールの建設等過去の大型事業に係る起債の償還が終了したことに伴い、公債費を9億8千317万円とし、対前年度比22.2%減で計上いたしました。

 令和4年度の予算編成に当たりましては、財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率が、令和2年度決算において94.5%と、前年度より0.4ポイント回復したものの、依然として財政が硬直化した状態となっております。

 このことから、経常経費については前年度予算額を上限とし、各部署の予算配分枠を設定した緊縮予算としておりますが、なおも生じる財源不足額3億9千99万円につきましては、財政調整基金を取り崩しての編成となっております。さらに今後、ごみ処理関係施設等の大型事業が控えており、将来にわたって多額の債務を抱えることが見込まれることから、財政運営の一層の健全化が求められております。 

特別会計

 次に、国民健康保険をはじめとする5つの特別会計の予算額は、総額で73億8千944万円、前年度から3億4千172万円、対前年度比で4.8%の増となっております。

 国民健康保険特別会計では、県単位化が図られ、県が示す納付金額を保険税に求めることとなり、令和6年度の保険税統一に向けて段階的な改正が必要となります。今年度は、医療・後期・介護納付金それぞれの負担割合の調整を図ってまいります。なお、財政調整基金約2千万円を取り崩しての編成となっております。

 後期高齢者医療特別会計では、奈良県後期高齢者医療広域連合との連携を密にするとともに、介護予防事業への参加促進を図り、健康寿命の延伸に取り組んでまいります。

 介護保険特別会計では、第8期介護保険計画に基づいて、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるための地域包括ケアシステムの深化・推進をはじめ、多様なニーズに対応した介護保険サービスの充実化や地域のつながり強化等により、高齢者を支える環境の充実を図ってまいります。また、「支える側」「支えられる側」という関係を超えて、地域住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく「地域共生社会」の実現に向けて取り組んでまいります。

 墓地事業特別会計では、町営石塚霊園内において、これまで1,194区画の一般墓地を整備してまいりました。しかしながら近年は、将来における墓地の管理、承継に不安を抱く方が増えていることから、令和元年度に合葬墓の整備を行いましたところ、現在までに32柱のお申し込みを受けております。今後さらに少子高齢化が進むことに伴い、合葬墓を希望される方が増えることが予想されており、引き続き多様化する町民ニーズに応えてまいりたいと存じます。

 水道事業及び下水道事業の公営企業会計の予算額は、水道事業につきましては、収益的収入が8億7千640万円で、対前年度比2.8%の増、収益的支出が8億6千508万円で、対前年度比0.1%の減となっております。引き続き、災害時に重要拠点となる避難所での飲料水確保のため、避難所までの管路である重要給水管を中心に耐震管への更新を進めてまいります。

 下水道事業につきましては、収益的収入が11億9千35万円で、対前年度比3.1%の増、収益的支出が10億6千749万円で、対前年度微減となっております。下水道の普及率は98.5%で、ほとんどの家庭で利用可能となっておりますが、水洗化率は93.4%であり、引き続き接続の推進に努めてまいります。

 また、奈良県域水道の広域化につきましては、任意協議会において、水道事業等の統合に向けての具体的な協議を進めてまいりますが、随時、議会へご報告させていただきます。

基本方針と主な施策の概要

 さて、本年1月に政府が閣議決定した「令和4年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によれば、「長引く新型コロナウイルス感染症の下にあるが、(中略)厳しい状況は徐々に緩和されており、このところ持ち直しの動きが見られる」とされております。しかし、「オミクロン株を含めた新型コロナウイルス感染症による内外経済への影響、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」と言及されております。

 冒頭にも申し上げましたとおり、新型コロナウイルス感染症には引き続き注意を払いつつ、町民の皆さまの暮らしを守るため、第5次広陵町総合計画に掲げるまちの将来像の実現に向け、各施策に取り組んでまいります。

 令和4年度の重点施策につきましては、私が本町のまちづくりとして掲げております3つの重点項目に沿って、その概要を申し上げます。

 重点項目の1つ目『豊かな町』の実現について申し上げます。

豊かな町

 中小企業・小規模企業の振興につきましては、企業の声を反映させた施策実現のために制定した条例に基づく提言により、令和2年12月に広陵高田ビジネスサポートセンター(KoCo-Biz)を設立いたしました。開設当初から地元企業・事業所からの相談予約が殺到し、現在までに約1,000件(うち広陵町は約430件)の相談を受けており、予約の絶えない相談所となっております。

 「がんばる企業が集まる町、広陵町」をビジョンとして掲げ、企業と協力しながら、経済が強く豊かな町を目指してまいります。

 箸尾準工業地域の工場用地造成事業につきましては、概ね事業用地買収の目処が立ちましたことから、立地企業9社を決定させていただいたところです。立地企業の要望を踏まえた区画の割り付けや造成設計を進め、令和4年度中に造成工事に着手する予定であります。また、町道中南線などの造成計画に関連する道路整備につきましても、着実に工事を進めてまいります。

 県との連携により進めております「竹取公園周辺地区におけるまちづくり」は、昨年度策定した基本計画「花讃道プロジェクト」の実現に向け、民間事業者との連携などを含めた具体的な事業計画の策定を進めてまいります。

 特定農業振興ゾーンにつきましては、寺戸地区において、地域や生産者との協働による観光農園などの事業化を支援するとともに、良質な「いちご」の産地としての地域ブランドが定着するよう、地域商社「なりわい」の企画力を活用した取組を進めてまいります。また、百済川向地区においては、農業の耕作条件改善を図るため、圃場整備を進めてまいります。

 クリーンセンターにつきましては、地元4大字との協定に基づき、本年3月18日をもって操業を停止いたします。しかし、ごみ処理は、私たちの安全で快適な暮らしを支える重要な業務であり、休止することはできません。天理市での広域ごみ処理施設が完成するまでの間は、周辺市町や民間施設での処理をお願いすることになります。

 操業停止後のクリーンセンターにつきましては、ごみ積み替え中継施設として活用させていただくことを地元4大字と確認し、協定を締結することができました。地元の皆さまには、改めて感謝申し上げます。また、広域ごみ処理施設の整備及び今後の操業におきましては、多額の経費が必要となりますことから、引き続きごみ減量化の取組について、ご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 広陵町の土地利用につきましては、都市計画法第34条第11号の規定に基づき、市街化調整区域における宅地開発が長らく続いております。一方で中心集落の空洞化による空き家の増加、田園風景や緑地の減少による景観損失など、さまざまな支障が見受けられます。今後は、土地利用のあり方について見直しを検討するとともに、コンパクトで利便性のよいまちづくりを進めるための計画や基準を定めてまいります。

次に、重点項目の2つ目『安全な町』の実現について申し上げます。

安全な町

 南海トラフ沿いを震源域として、今後30年以内にマグニチュード8以上の巨大地震が発生する確率は、70%から80%とされております。

 「災害は忘れた頃にやってくる」今一度この言葉を胸に、すべての町民の皆さまに日頃からの備えをお願いしてまいります。

 町としましては、在来地域を中心に木造住宅密集地域への対策として、狭隘道路の拡幅整備を進めております。長期的には、沿道の家屋の建替時に建物のセットバックにより道路を拡幅し、100年後には防火帯機能を持つような基幹道路が整備できる「防災100年計画」の導入を、町民の皆さまの参画のもと検討してまいります。令和4年度は、西校区の疋相区や大垣内区などをモデル地区として地域懇談会を開催いたします。 

 また、高田川や葛城川は洪水時に水位が上昇すると、支川の馬見川、古寺川や広瀬川の水が流れ込まなくなり、合流点付近の低地部に滞留する内水による氾濫被害が、毎年のように発生しております。町として少しでも被害を軽減するため、支川ごとに洪水を貯留する調整池の整備を進めております。平成緊急内水対策事業として国や県からの手厚い補助を受けており、令和6年度の完成を目指して着実に工事を実施してまいります。

 冒頭申し上げましたとおり、町内において住宅火災による高齢者の死亡事例が相次ぎました。早期発見による安全確保を支援するため、高齢者世帯への住宅用火災警報器の設置助成を行ってまいります。 

 コミュニティバス「広陵元気号」につきましては、新型コロナウイルスの影響により一時的に乗客が減少いたしましたが、徐々に回復しつつあります。昨年10月には、南部支線において一部ルート及びダイヤの見直しを実施し、利用者数は見直し前よりも増加傾向にあります。現在、本町の公共交通施策のマスタープランとなる「広陵町地域公共交通計画」を新たに策定中であり、当計画を基に町内全ての公共交通の効果的な運用について基本的な方針を定め、持続可能な公共交通の実現をめざしてまいります。

 次に、重点項目の3つ目『元気な町』の実現について申し上げます。

元気な町

 町民一人ひとりが生きがいを感じられることが、「元気な町」につながると考え取組を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、各種教室や集まりの参加機会が減少し、残念ながら高齢者を中心にフレイル(虚弱化)が進んでいるといわれます。

 このような現状を踏まえ、地域巡回型健康教室「広陵元気塾」や、地元畿央大学の協力による広陵町介護予防リーダーの養成、そして、助け合いや見守りなどを推進する協議体「広陵ささえ愛」につきましては、引き続き感染予防を徹底しながら心身の健康維持を図る取組を実施し、支援してまいります。

 子育て関連では、子ども医療費助成対象の上限年齢を現在の中学生から18歳まで拡充いたします。また、中学生以下の子どもを3人以上育てておられる多子世帯に対し、給食費相当分の支援を始めます。これらの施策により、子どもの声が響く「元気な町」を体現してまいります。

 西校区におけるこども園につきましては、学校法人冬木学園運営の「畿央大学付属広陵こども園」が令和5年4月に開園いたします。今後は、地域の理解を得ながら必要な整備の支援を行ってまいります。

むすびに

 以上を、令和4年度における町政運営の基本方針と主な施策の概要とさせていただきます。なお、当初予算及び関連諸議案につきましては、予算書及び関係資料をもとに、それぞれ担当職員が説明いたしますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜りますようお願い申し上げます。

 ごみ処理をはじめ、防災、福祉、教育、どの施策をとりましても事業を推進、改善していくには町民の皆さまとの対話が不可欠です。自治基本条例の理念にある「参画と協働」、これは人と人とのつながりがなければできるものではありません。

 「人は石垣、人は城、人は堀」これは戦国武将武田信玄の言葉であります。「立派な城があっても人の力がないと役に立たない。国を支える一番の力は人の力であり、信頼できる人の集まりは強固な城に匹敵する。」という信玄の考え方や生き方を表しております。

 広陵町を支えるのも人であり、まちづくりに参加いただく全ての人であります。より多くの人が広陵町のまちづくりに関心を持ち、人と人とのつながりをひろげることで、「be Happy~未来につながるまち 広陵」が実現されるよう、全力を尽くしてまいります。

 議員各位ならびに町民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和4年度の町政に臨む、私の施政方針といたします。

教育長施政方針

はじめに

 町長が掲げられておられる広陵町のスローガンは、みなさんと共に「いい町」づくりであります。私は、常々、そのスローガンを教育に置き換えると、みなさんと共に「いい人」づくりではないかと考えています。

 今回、広陵町教育大綱を5年ぶりに見直し、その教育理念に「輝く未来のために ともに学び つながり合う いい人づくり」としました。

 その教育理念を実現するために、子どもたちに望む人間像として3つの基本方針を設定し、基本方針1として「輝く未来のために、さまざまな情報の中から何が必要かを主体的に判断し、自らの課題の解決をめざし、他者と協働しながら新たな価値を創造する中で、自信をもって生き抜くことができる人」、基本方針2として「多様な人々との関わりの中で共感し、人間性豊かな感性、創造性を発揮し、自らの可能性を高めながら、よりよい人生、よりよい社会を創造することができる人」、基本方針3として「生涯にわたって質の高い学びを続け、夢と希望と志をもって人とのつながりを大切に、郷土を愛する心をはぐくむとともに互いに助け合い健やかに暮らすことができる人」という3つの「人づくり」を設定しました。

 私がこれまでに掲げていた「いい人」づくりを進めるための3つの合い言葉、「Challenge」、「Creation」、「Bond」も踏襲しつつ、学校教育をはじめとして、就学前教育、社会教育など学校・幼稚園、保育園、こども園あるいは生涯学習、スポーツ、図書館、文化財保存と活用において、地域との絆・つながりを大切にしながら、町民の皆さまと共に施策を進めてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、学級閉鎖や学年閉鎖、学校臨時休業などからも、学びの継続、学びの保障が重要となっている状況です。それらのことから、学力向上をめざす学びの確認として、町独自に小学5年生と中学2年生に学力調査を行っております。この結果を分析し、それらを基にして授業改善を心がけ、小学6年生と中学3年生の全国学力・学習状況調査の結果につながるよう、個々の状況に沿った授業に取り組んでまいりました。

教育委員会の取り組みについて

園・学校について

 令和4年度におきましても、同様に町独自の小学5年生と中学2年生への学力調査を継続し、その分析と併せて、子どもたちにとって「 わかる できる授業 」をめざしてまいります。

 また、町内小学校5校の全てで「広陵放課後塾」を実施しており、学校間格差を是正し、基礎学力の定着及び学習習慣と意欲の向上を図るための学習支援として特色ある取組の充実に努めてまいります。

 さらには、特別支援教育及び通級指導教室の推進と充実も図ってまいります。こちらにつきましても、町独自に加配する学習支援員を継続して配置することや、真美ヶ丘第二小学校と広陵北小学校の2校で設置している通級指導教室のさらなる充実を図り、適切に実施してまいります。

 幼稚園・こども園におきましては、長期休業時の預かり保育をはじめとして、引き続き子ども子育て支援に努めるとともに、保育園・幼稚園・こども園と小学校がより連携を深め、新しい環境へスムーズに移行できるよう、就学前教育の充実に努めてまいります。

 加えて、地域全体が子どもを育てる当事者として互いに力を発揮できる、「コミュニティスクール(学校運営協議会制度)」も町内小中学校全てに設置いたしました。令和4年度は、これまで実施に至らなかった地域の人たちの積極的な参画を得て、地域に開かれた学校としての運営をより充実させ、子どもたちの豊かな未来のために現代社会で求められる資質・能力・生きる力の育成に努めてまいります。

 また、多子世帯における保護者の経済的な負担の軽減を図ることを目的として、義務教育期間内における第3子以降の児童及び生徒の給食費相当分を支援する、広陵町小・中学校多子世帯給食費支援金交付事業を実施してまいります。

 次に、施設整備関係ですが、経年で計画的に行っております学校トイレ洋式化の事業でございます。洗浄機能付きの便座と床面等を乾式化(ドライ化)する改修ですが、本年度は、広陵東小学校と広陵中学校で実施いたします。これによって児童生徒が主に使用する本町の学校トイレの改修工事は本年度で完了することとなります。

 また、学校施設の保全工事として、広陵西小学校既設校舎の屋上防水修繕工事を実施いたします。

 学習環境面につきましては、GIGAスクール構想を円滑かつ本格的に推進するため、前年度に引き続きICT支援員を配置するとともに、教職員研修会の実施、オンライン授業等での効率的な活用などを進めてまいります。

 ICT教育の推進に関連して、教職員の校務支援につきましては、奈良県で統一した統合型校務支援システムが稼働しており、本町におきましても、この統合型校務支援システムを導入いたします。県域でつながるシステムであり、指導要録等必要書類の統一が図られ、児童生徒の各種データ管理も行える機能を有していることから、これからの教職員の働き方改革の一助にしたいと考えております。

生涯学習、文化財保存及び図書館等について

 次に、生涯学習分野におきましては、中央公民館を文化芸術・生涯学習のプラットフォームと位置付け、社会課題の解決や社会包摂に対応するための講座・教室の開催及び関係団体や指導者の育成など、町民主体の学習活動を一層促進するとともに、誰もが文化芸術に触れ、連携・協働することで、心豊かで活力あふれる町民主体の文化芸術を推進してまいります。

 なお、中央公民館の建替及び本町の文化芸術の振興については、「広陵町の公民館建替及び文化芸術の振興のあり方検討委員会」での、多角的な視野に基づいた議論を経て、先日町長に答申をいただきました。

 この答申をうけ、文化芸術推進基本計画を定め、公民館を核として文化芸術の推進を参画と協働のもとに進めてまいります。

 青少年健全育成協議会の活動につきましては、関係団体、学校、地域、家庭が一丸となり、現在の社会に則した取組を展開し、青少年犯罪の未然防止に努めてまいります。

 また、子ども会につきましても、子どもの地域コミュニティへの参加の第一歩や、郷土を愛する気持ちの醸成の場としての役割が大きいことから、積極的に支援してまいります。

 さらに、世代間交流事業につきましては、核家族化のみならず、新型コロナウイルス感染症による地域行事等の中止が相次ぎ、異世代がふれあう機会が少なくなっていることから、幅広い世代でチームを構成し、交流を深める「ふれあいパークゴルフ大会」の開催を継続してまいります。

 続いて人権教育につきましては、今年、日本最初の人権宣言を行った水平社創立100周年を迎えましたが、今なお多くの人権問題が存在し、その内容は多様化・複雑化しております。人権教育の基本である「差別の現実に深く学ぶ」に立ち返り、奈良県や北葛城郡の人権教育推進協議会と連携しながら、人権を尊重し、あらゆる差別を許さない精神と行動を根付かせるよう、人権教育を進めてまいります。

 次に、社会体育につきましては、本町スポーツ協会が実施するさまざまな事業に加え、地域住民が自主的な運営を目指す総合型地域スポーツクラブ「広陵ステーションプラス1クラブ」について要請を行い、現在の社会を取り巻く生活環境の変化を踏まえ、一人でも多くの町民の皆さまが、それぞれのライフスタイルに応じたスポーツ活動を楽しむことができるよう、生涯スポーツとしてのさまざまなスポーツ活動の普及促進に努めてまいります。

 本町が管理運営する体育施設の使用料については、受益者負担の適正化を行うため、委員会を設置し、運営体制の充実と使用料の最適化に努めます。

 次に図書館でございます。図書館は、今年開館25周年を迎えます。豊富な蔵書を有し、開館以来多くの方にご利用いただいております。

 今後は「もっと近くに図書館を」をスローガンに、利用の少ない地域の方に向け、図書館に来館しなくても、身近な所で本を読める場所づくりを考えております。

 まず学校と連携し、学校図書館の図書充実を図り、子どもたちの読書環境を整えるとともに、地域住民の方に学校図書館で町立図書館の本を借りていただけるしくみを作ってまいります。

 また、電子図書の活用においても、学校での学習活動への支援に加え、幅広い年代の方に向けて利用を促進してまいります。

 施設の管理におきましては、専門的な民間事業者に包括委託とすることで、より安全・安心な施設管理を行い、適切な環境が提供できるよう努めてまいります。

 「本を読む」ことは学力の基礎であり、読書習慣をつけることは生きていく上で大切な力を育みます。赤ちゃんからお年寄りまで、生涯を通して図書館を利用していただくために、図書館を身近なものと感じていただけるよう、引き続き読書関連イベントの開催や情報発信を行い、常に町民の皆さまの読書意欲を満たせる魅力ある図書館となるよう努めてまいります。

 次に文化財関連でありますが、保存・保護と利活用の両側面から取り組み、所蔵する埴輪等の3次元画像に続き、幅広い人に関心を持っていただけるよう、Webコンテンツの充実化をはじめ、情報発信を進めてまいります。

 広陵古文化会は、今年、設立60年を迎えられます。本町の文化財を案内いただくとともに、多くの会員によって町の貴重な文化財を守っていただいており、今後も協働による文化財の保護・啓発に取り組んでまいります。

 次に、文化庁の地域文化財総合活用推進事業として、大字所有の「だんじり」の修理、祭礼の記録保存や継承については、経年で4大字に実施いただいており、今年度以降も順次促進いたします。

 特別史跡巣山古墳の整備事業は、引き続き発掘調査及び外堤の護岸整備を進め、観光資源と捉えて外堤を一巡できるよう、周遊道路の整備を進めてまいります。

 その他、民間開発や公共事業に伴う発掘調査についても、適切に対処いたします。

 最後に、学校給食でございますが、安全・安心かつ栄養面に配慮した美味しい給食を提供いたします。また、栄養教諭の専門性を生かした給食指導の充実も図ってまいります。参考までに令和3年度には、地産地消の観点から広陵町のいちごを使ったマフィンを7月・11月に提供いたしました。食育講演会においては、8月に真美ケ丘中学校で「学校給食における食品ロスについて」をテーマとして、今後の食育の学習で活用できるよう、動画教材を作成して配布いたしました。

 献立面では世界の料理や、全中学校の生徒を対象とした「リクエスト献立」を採り入れた給食を9月から12月にかけて実施し、これまでは対象となっていなかった教職員についてもアンケートを実施し、数多くの現場の視点での意見を聴取いたしました。それらの結果を踏まえ、素材の持ち味や栄養バランスを十分考慮した献立の作成、安全・安心を提供するために、より確実な調理業務を行い、給食という生きた教材を通した食育の推進につながるよう取り組んでまいります。

結びに

 結びに、「子どもは地域の宝」と申します。

 町の将来や地域を担うのは、次代を生きる子どもたちであります。子どもたちが、それぞれの生活の中で夢や目標を抱き、輝く未来をもたらすことができるよう、心身ともにたくましく成長するために、確かな学力、豊かな心、たくましい心身の育成、そして社会を生き抜く力を身に付けることは、家庭、学校や園そして地域が三位一体となって推進することが重要であります。

 これまでの38年間の教員経験と教育行政、町行政に携わってきた経験を糧にして、今後も子どもたちや町民の「いい人づくり」に向けて、「子どもたちのために何ができるのか」「町民のために何ができるのか」を常に念頭に置きながら、保護者や町民の皆さまからの多様なニーズに真摯に対応するとともに、それぞれの充実と発展に全力をあげて取り組む所存でありますので、重ねて何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上、教育関係の主要な事業と施策でございます。

 よろしくお願い申し上げ、私の本年度の施政方針といたします。

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広陵町企画総務部総合政策課[庁舎2階]

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