町長所信表明
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令和7年7月町議会定例会の開会にあたり、町長として、これからの町政運営に向けて所信表明を述べさせていただきます。

所信表明の様子(動画)はこちら別ウィンドウで開くからご覧いただけます。

はじめに
本日、広陵町議会第2回定例会の開催にあたり、町長として初めて本会議に臨む機会をいただきました。この場をお借りして、町長としての所信の一端を述べさせていただき、議員の皆さま並びに町民の皆さまに広陵町の未来づくりへのご理解とご協力をお願いしたく存じます。
私は、令和7年6月15日に執行された広陵町長選挙におきまして、多くの町民の皆さまからの信託を賜り、広陵町の町政運営を担う役目をお引き受けすることとなりました。この多大なる信託に深く感謝を申し上げるとともに、改めてその責任の重大さを痛感しております。一方で、私が生まれ育った広陵町のまちづくりに深く関わることができる喜びを感じ、町長として新たな決意を胸に抱いております。
7月1日の初登庁の日には、多くの方々から温かい歓迎をいただきました。また、谷議長から激励のお言葉も賜り、誠にありがとうございました。
私は、これまでの歴代町長、そして山村前町長が12年間にわたり築き上げてこられた数々の成果をしっかりと受け継ぎ、これからの4年間、広陵町行政の舵を取る役割を担います。そして、さらに活力あるまちづくりや福祉の充実に全力を尽くしてまいります。

広陵町を「つくる」5つの提案
私は、広陵町を「つくる」5つの提案を掲げ、選挙運動を行ってまいりました。この提案は次のとおりです。
1.安全・安心のまちづくり
2.新しい命とその成長を応援
3.教育環境の充実
4.住み慣れたまちでの暮らし
5.地域の基盤整備と活力ある産業
これらの5つの提案を実現するため、町政運営に真摯に取り組む所存です。
また、その実現に向けた基本的な姿勢として、私は「住民対話で、明日をつくる。」をスローガンに、「対話の必要性と重要性」を選挙において訴えてまいりました。
これは、町民皆さま、お一人おひとりの声がしっかりと行政に届くようにすること、そして届いた声を発展につなげるということ、すなわち「町民第一」「住民第一」のまちづくりを目指すということです。
それでは、私が掲げております広陵町を「つくる」5つの提案について、具体的施策の主な内容をご説明申し上げます。
まず、「安全・安心のまちづくり」についてです。治安の良い町で暮らしたい、誰しもが願うことであります。
地域の安全・安心の拠点となる、警察と連携した民間交番の設置をしてまいります。防犯活動や情報交換、道案内、落とし物や警察への通報補助などの取組があり、犯罪等を企てる者を町に入らせないための、見せる活動の一つとなります。
また、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活することを目指すために、健康寿命の延伸事業のさらなる充実と、働く世代の健康診査など心身のケアを積極的に行えるよう支援をしてまいります。続いて、道路改修や舗装補修など道路ネットワークの適正管理を進めるとともに、歩行者や通学路の安全対策についても取り組みます。既成市街地では緊急車両が家の前まで入って来られるよう地区内の道路の整備を進めてまいります。
次に、「新しい命とその成長を応援」についてです。
不妊治療には経済的・身体的・精神的にと、様々な負担があると伺っております。その中で治療を決断された方に、その方々に合う治療を受けやすくする環境を支援することが必要と考えます。
三つ目の「教育環境の充実」についてです。
保護者の皆さまとの対話の中で、昨今における物価高騰の影響もあり、家計における教育費の負担が、総額的に大きくなっていることを伺いました。少しでも負担を軽減できるよう、小・中学校の給食費の無償化を進めます。またそのことで学校教育費や学校外活動費など、各ご家庭で子どもに必要とされる支出に充当できる原資を、家計内で確保することも可能となります。
四つ目の「住み慣れたまちでの暮らし」についてです。
高齢者の方、体の不自由な方からお伺いするのは、買い物や今後への不安です。運転手不足の中、交通事業者と連携し、住民活力を利用した新しい移動支援を考えてまいります。また、高齢者や体の不自由な方が安心して暮らす上で、自治体の支援制度は心強い存在にならなければなりません。今ある制度、仕組みを活用し、「安心サポートコール」として、要希望者に電話での声掛け機会を増やす、また、生活の様々な困りごとの身近な相談相手となる地域窓口の設置を計画してまいります。
最後に、「地域の基盤整備と活力ある産業」についてです。移住定住促進策として税制や財政面からしっかりと制度設計した上で住宅ローンの金利補助、子育て世帯の家賃補助を実施いたします。
また、住む所だけでなく、働く場所をつくることも必要です。企業誘致への取組と起業・創業にかかる費用の一部補助、それぞれの事業者・農業者に合う効果的な生産基盤・経営基盤への支援のあり方を話し合う機会をつくる必要があります。
これら具体的な施策実現のために必要な経費につきましては、9月議会以降、順次、所要の予算措置をお願いし、方針を定めてまいりたいと考えております。
町民の皆さまに一層ご満足いただける町政運営を目指し、全力で取り組んでまいりますので、どうぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。また、令和7年度の重点施策につきましては、山村前町長の方針を継承し、引き続き取り組んでまいります。
今年は町制施行70周年という節目の年に当たります。11月30日には記念式典を開催し、住民の皆さまの記憶に残る催しを企画したいと考えております。
本町では、限られた資源を有効に活用するため、従来の手法にとらわれず、新たな手法やデジタル技術の活用を検討してまいります。これにより、町民の皆さまの福祉と利便性の向上を目指すとともに、第5次広陵町総合計画に掲げるまちの将来像の実現に向けて、各施策を着実に進めてまいります。
企業誘致に関する取組につきましては、箸尾工業団地に続く新たな産業集積拠点の創設を進めております。具体的には、中和幹線沿線の大塚地区において、立地を希望する企業が増えている現状を踏まえ、関係機関との調整や協議を全庁的にサポートしております。これまでに数社の立地が具体化しており、今後も引き続き推進してまいります。
産業振興につきましては、中小企業・小規模企業の事業者支援を継続して行ってまいります。また、「広陵くつした」や広陵町産「古都華」によるタウンプロモーション、広陵ビジネスサポートセンターなど、広陵町産業総合振興機構「なりわい」や広陵町商工会との連携を密にし、地域産業の課題解決に取り組んでまいります。
農業振興につきましては、県から指定を受けている特定農業振興ゾーンを中心に農業の高収益化を図ります。さらに、町全域においても昨年度に策定した地域計画に基づき、農地の有効活用を目指します。また、集落営農組織の推進や効率的な農業支援に取り組んでまいります。
防災施策につきましては、防災の必要性を共有するため、毎年必ず1回は時期を定めて全町で防災訓練を行うとともに、自主防災組織における備蓄品の充実なども呼びかけてまいります。また、避難者の生活環境の向上については、学校体育館の空調設備の設置につきまして、調査研究を行うこととしております。
まち全体の防災機能向上につきましては、木造家屋密集市街地の狭あいな生活道路の整備が重要であることから、大垣内区及び疋相区では、地域との協働により作成した「防災100年計画」に基づく待避所整備を進めております。一方、百済区渕口では狭あい道路整備事業を活用した道路の拡幅整備に取り組んでまいります。
さらに、広瀬川、古寺川、馬見川における「平成緊急内水対策事業」として、国・県・町が連携し、氾濫水を貯留して被害の軽減を図る調整池の整備を実施しております。令和7年度には古寺川の調整池が完成する予定であり、広瀬川及び馬見川についても県の河川事業と調整を図り、早期完成に向けた取り組みを進めます。
通学路の安全対策につきましては、西小学校の通学路で交通量が非常に多い町道柳板大谷線の横断についての対策として、横断歩道橋の整備を進めております。信号のある交差点はありますが、横断児童数が大変多く保育園等への送迎車輌も輻輳(ふくそう)することから非常に危険な状況ですので、年度内に歩道橋を完成させ、早期供用を図ります。
旧クリーンセンター広陵に関連する環境整備事業につきましては、広瀬区にある東部地区農業研修センター及び中公民館の建替を行います。東部地区農業研修センターは老朽化が進んでいるため、令和6年度に策定した建替基本構想・基本計画をもとに、令和7年度には建築工事に向けた基本設計・実施設計を実施し、令和8年度中の竣工を目指します。
旧クリーンセンター広陵跡地の利活用計画につきましては、地元及び周辺の大字との協定書に基づき、令和9年3月までの2年間で具体的な方針を決定いたします。利活用の可能性を模索し、住民参画と公民連携を通じて基本方針を策定いたします。
広陵中央公民館につきましては、老朽化と法令上の不備がある状態での継続利用は望ましくないため、令和5年度に策定した「広陵中央公民館再整備基本方針」に基づき、機能の移転を進めます。具体的には、公民館機能をはしお元気村やグリーンパレスなどに移転することとし、事業の推進を図ってまいります。
機能移転に際しましては、利用者の声を丁寧に集約し、移転後の公民館の将来像について町の案を基盤としながら、各世代・各主体の幅広い町民皆さまと対話を重視し、協働で検討してまいります。
以上の施策を着実に進め、地域の防災力や生活環境、公共施設の充実を図りながら町民皆さまに安心・便利で魅力ある広陵町を提供してまいります。新たなまちづくりに向け、今後もご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

むすびに
私はまちづくりを通して、『どんな状況、どんな状態であっても、誰もが等しくその場に立てる、誰にでも活躍するチャンスがある。一人ひとりにその相応しい機会と、ルールが整備されている。』そんな仕組みを持っているまち。
そして「誰もが、誰にでも、優しくあれる町」は成長するんだという、新しい発展モデルをこの広陵町で創りたいと考えております。山村前町長の後継者として、これまでの事業、これまでの良いところをしっかりと引き継ぎ、さらに良い町にするためにもっと発展させていく。持続可能性という観点から町政運営を見直し、足らないところ、直すべきところがあれば、継ぎ足していく、新しく取り組んでいき、全ての分野において底上げを図ってまいります。
町民の生命と暮らしを守るため、また「町民第一」「住民第一」の町をつくるため、4年間しっかり仕事をさせていただく決意ですので、何とぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。
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広陵町企画総務部総合政策課[庁舎2階]
電話: 0745-55-1001
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